実質税金

ラジオで関税のことを言っていましたが、日本の関税はコメ778%、小麦252%、砂糖328%だそうです。

実際には、外国が日本に輸出するときに、コメ1キロあたり○○円の関税を日本に払うというルールになっている。外国は、払うべき関税額を含んだ価格設定をしないと損をする。輸出する国の元々の価格と、これに日本に払う関税を加算した価格を比較したら7.78倍ぐらいになるという話。
これぐらいの関税をかけたら、日本産のコメの価格と外国産のコメの価格の差がなくなるということだ。外国のコメは安い!)

国内生産者の保護や食糧安全保障(自給率維持)などと言ってますが、そのために我々は高い米・小麦・砂糖を買わされている。
778%というと驚きますが、そのせいでコメのアメリカからの輸入は抑制されているわけですから、アメリカが払っているのではなく、この高い関税は実質的には我々日本人が払っているようなもんです。
テレビのニュースを見ると、大臣がアメリカに対して「払え」と言ってるように見えますが、本当は日本国民に「今まで通り払え」と言っている。
生産者とは実質公務員であり、食品価格のうち関税に相当する部分は実質税金ですね。
電気代なんかも外国に比べたら高いらしいですが(アメリカの2倍)、東京電力などはあれほどの事故を起こしながら、国が全力で救済したので倒産しない。

小室直樹先生は「資本主義の本質は失業と倒産である」と言われましたが、そうすると日本は社会主義国で東京電力は実質国営企業。そしてその社員は公務員。
電気代のうち、外国より高い部分も実質的に税金だ。
すると日本はすごい重税国家のように見えてきます。
もちろん食糧自給率や電力会社の維持は必要で、これを否定するつもりはありません。生産者や公務員の所得が減ったら、消費が凹んで景気も悪化しますので。
しかし日本は世界の標準的な価格では生産者・公務員・国営企業の社員などの高い所得を維持できないということですから、日本は本当に豊かな国なのか?と心配になるな。