この本、今読んでいる最中なのですが、やはり野口先生の本は勉強になります。
本日、日銀の支店長会議で白川総裁が、
「デフレ脱却の為に金融緩和を強力に推進する」
と発言されたそうですが、この本を読んでいると金融緩和政策に対して大いに疑問を感じます。
野口先生は以前から、今の日本経済はデフレではないと言っておられます。
デフレではないのにデフレの対策を講じても意味がない。
それどころか、古い体質を温存してしまうので、かえって構造改革が遅れるのが問題。
で、今回のこの本では、
①日本の貿易立国は終わり。貿易赤字が常態化する
②日本の貿易構造は大きく変化している(工場海外移転、中間財輸出など)
③電力の制約
というように日本経済の構造は大きく変わったのに、昔と同じ対策を打ってもダメ。
古い体質を温存してはいけない。製造業の新しいビジネスモデルを作るべし
といったことが書かれています。
とても理にかなったわかりやすい本だ。
なんで政府や日銀の人たちは野口先生のようには考えないのか?
不思議だ。でも仕方がない
我々は野口先生の本を読んで、自分たちにできることを考えるしかない
ついでににメモ。
「円高でもない」というひとつの参考指標 「ビッグマック指数」
実質レートを推定するために世界各都市でのビッグマックの価格を参考にする。
2012年1月 英「エコノミスト」誌
アメリカ=4.20ドル
日本=320円
320円 ÷ 4.20ドル =76.2円
1月の現実のレートは約77円だった
(「製造業が日本を滅ぼす」71ページ)