「製造業が日本を滅ぼす」(ダイヤモンド社)
野口悠紀雄先生の本で、タメになります。
垂直分業× 水平分業〇
自動車産業も、電気自動車(EV)への切り替えを機に垂直分業から水平分業に移行する。
(ここが日本経済復活の最後のチャンスだと思われる。)
自動車産業がパソコンのような水平分業産業になり、中小企業が参入するようになると、「高付加価値の基幹部品」が重要になる
パソコンではインテルだった
他のPC部品がコモディティ化した中でCPUだけはインテルの寡占状態だ
日本の部品メーカーにとって自動車のEV化はチャンスでもある。
EVでCPUに相当するのは電池だろう。
以上は92ページ~
私はタイヤメーカーで商品開発をやったことがあります。
20年ぐらい前、開発の会議で、
「10万キロ走れるタイヤ(つまり長持ちタイヤ)」
を提案したらバカにされました。
当時、2013年にはこんなにたくさんのプリウスが街中を走っているというようなことは誰にも予想できなかった。
で、そのときの技術系の開発担当者は私に、
「川本さんの言うようなタイヤが本当に売れるのであれば、もうとっくにブリジストンやダンロップが作っているはずや」
と言った。
(ブリジストンは業界1位、ダンロップはその頃2位でした。)
これぞ日本の製造業!
このような考え方をするのは私がいた会社だけかと思っていたら、そうではない。
「トヨタは新しいものを作り上げたのではなく、確立された自動車生産方式を改善しただけだからだ」(33ページ)
EVが日本経済復活の切り札になればいいなあ。