JALは結局どうなったのかが気になったのでこの本を読みました。
小室直樹先生は、
「社会主義国では役人が企業に命令する」
「破産と失業は資本主義の本質である」
とおっしゃっておられましたが、この本を読むと日本が資本主義国ではなく、社会主義国的であることがよくわかります。
JALは法的整理とはいっても会社更生法を申請したもので、
・旧株主は100%減資によって株主責任をとる
・旧取締役は辞任
・銀行債務は消滅
・融資金額が最も多かった日本政策投資銀行債務は政府保証(470億円)があったので税金負担で代位弁済
・一般商業債務(買掛金や未払金など・リース債務を含む)は残る
・年金債務は減額されたが残る
・政府系金融から9千億円の投資と融資(投資が3.500億円)
という、社会主義国的なスキームが実行されました。
その後、V字回復と再上場を果たした稲盛さんは立派だと思いますが、
それ以前の債務整理の段階では、同じ法的整理でも、スポンサーを探して「破産⇒事業譲渡」をやるべきではなかったか?
債権者平等の原則
経済的合理性