太平洋戦争は自衛戦争だったのか、侵略戦争だったのか?
いろんな意見がありますが、根本的に自衛戦争と侵略戦争を反対語と考えること自体がおかしいのでは?
民主主義の反対は軍国主義というのに似ています。
これらは反対語でありません。
あの戦争は「自衛のための侵略戦争」といえるのではないか。
私は自衛戦争には二種類あると思います。
①自国領土が他国の攻撃を受けているので、応戦する
②自国の経済的な危機を避けるために、資源や需要をもとめて他国を侵略する
太平洋戦争は簡単に言えばアメリカによる対日石油禁輸措置に対抗するために、日本軍が資源を求めて南進(侵略)政策をとったことが原因で始まりました。
戦後、マッカーサーはあの戦争は日本にとって自衛のための戦争であったと発言しています。
もし、石油が入ってこなければ日本ではたちまち経済が崩壊し、失業者があふれて破滅しただろう。
したがって日本が戦争に踏み切った理由は大部分が安全保障の必要に迫られたからだ(つまり自衛戦争だった)
「窮鼠猫を食む」と言われるような必要に迫られての判断であったと言われていますので、当時は仕方がなかったと言えるかもしれません。
ただ、現在を生きる我々日本人が、②のような経済的な理由から他国を攻撃するというような行為を「自衛行為」として認めるべきかどうかといえばこれは難しい。
憲法9条の下では、②は断じて許されない行為でしょう。
やるなら、憲法を改正すべきだと思います。
今、国会では集団的自衛権を認めるか否かが議論されていますが、そのなかでホルムズ海峡の機雷撤去の事例が出てきます。
ホルムズ海峡に機雷が敷設されると、日本に石油を運ぶタンカーが通れなくなるので石油が届かなくなり、日本経済がピンチになる。
なので、これを撤去したいが、機雷は日本に石油を運ぶ船だけに向けて敷設されているわけではないので、個別的自衛権では対処できない。
よって集団的自衛権の行使を認めるべきだ。
という議論なのですが、機雷敷設という「戦闘行為」によって、日本が経済的に危機的な状況になると予想される場合、機雷撤去という「戦闘行為」によってこれを阻止するということが「自衛の手段」であると考えることが前提となっています。
これは②との線引きが難しい。
私は現行憲法の下では自国の経済を守るために他国で戦闘行為を行うことを認めてはダメだと思います。
機雷撤去中にを攻撃受けた場合に、自衛隊は当然に応戦することになるでしょうから、戦闘状態が拡大することは十分予想できます。
これこそが再び日本を戦争に導く最大の問題でしょう。
アメリカの戦争に巻き込まれることを危険視する人もいますが、私はこっちの方が怖いと思います。
日本が今後も戦争をしない平和国家であり続けるためには、「戦争放棄」を憲法で謳うだけでなく、もし石油などの資源が輸入できなくなった場合に、平和的にこれに対処する方法を考えて準備することが必要ではないでしょうか?
これは非常に難しい問題ですが、このような問題を武力によって解決してはならないということこそ我々日本人が太平洋戦争で学んだ教訓であるはずです。